前回記事に引き続き、今回は外国税控除の確定申告方法について解説します。
配当収入(分配金)として外国株・ETFから収入を得た場合は、外国税も源泉徴収されています。
例えば、米国株・ETFからの配当金には、10%の税率で課税されています。
そのため、米国株・ETFからの配当金の場合は、米国での課税後の配当金(=90%)に対して国内の所得税と地方税の20.315%が源泉徴収されています。
このように外国税を支払っている場合は外国と日本国内で二重課税となっていることから、確定申告をすることによって外国に収めた外国税が一部還付されます。
配当金の確定申告
サラリーマン(会社員)が配当金を得た場合は、たいていの場合確定申告をすることをオススメします。
理由は日本国内において源泉徴収で控除される税金の税率は20.315%となっており、非常に高い税率となっているためです。
ある程度年収が高くなってくる(750万円~)と、所得税率が20%を超えてきます。
住民税(10%)を考慮すると合わせて税率が30%を超えるので、確定申告すると追加で税金を徴収されるじゃないか!と思われるかもしれません。
しかし、総合課税で確定申告する場合は、株式の配当所得に対しては配当金の10%が「配当控除」として所得控除されます。
加えて、住民税にも配当控除(2.8%)がありますし、申告不要制度を利用することによって配当金を住民税の計算に算入しないという選択も可能です。
上記の理由から、正しく確定申告をすることによって概ね年収1200万円未満のサラリーマンはすべからく多少の税金還付が受けられます。
外国株配当金の二重課税された外国税の還付を受ける方法
外国株・ETFから得られた配当金にかかる外国税は、確定申告をすることによって一部取り戻すことができます。
例えば、米国個別株や米国ETFから配当金(あるいは分配金)という形で収入を得た場合は、米国の税率(10%)が源泉徴収された上で国内の税率(20.315%)が適用されています。
米国株の配当金が10000円あった場合は、米国の税率10%(1000円)が源泉徴収された後の金額(9000円)に対して、さらに国内の税率(20.315%)が源泉徴収されています。
以下の手順で確定申告をすることによって、外国税控除を適用した上で給与所得と合算し、適切な税率で再計算させる(税金の還付を受ける)ことができます。
外国株・ETF配当金の確定申告方法
外国株・ETFからの配当金・分配金の確定申告方法について解説します。
まずは、給与所得と配当所得の入力を済ませます。
続いて、外国税控除等の入力を行います。
「税額控除・その他の項目の入力」から、外国税控除等の「入力する」をクリックします。
外国税控除の入力画面に遷移しますので、「外国税額控除額の計算がお済みでない方」を選択します。
すると、外国所得税の情報を入力するフォームが出てきますので、「特別口座年間取引報告書」を基に入力していきます。
ここでは、配当株の銘柄毎に入力する必要は無く、国毎にまとめて入力することができます。
例えば、米国株・米国ETFであれば、「米国」という単位で上の図のように入力します。
「源泉」で所得の種別は「配当」とします。
税項目は「所得課税」とし、所得の集計期間は「令和2.1.1~令和2.12.31」とします。
納付確定日と納付日は年末の「令和2.12.31」とします。
配当金額と外国税額を転記すればOKです。
続いて、「2 調整国外所得の計算」では配当金額を転記します。
続いて、「3 外国所得税額の繰越控除余裕額又は繰越控除限度額の計算」を入力します。
お住いの住所が政令指定都市であれば「はい」を選択し、そうでなければ「いいえ」を選択します。
(住所が何に影響するかは分かりませんが。)
以降の空欄は過年度の繰超控除額があれば入力してください。
今回初めて外国税控除を申告する場合等、得に無ければ空欄でOKです。
最後に、「4 前3年以内の所得税の控除限度額等」を入力します。
所得税の控除限度額は、“所得税額×所得に占める外国株配当額所得の割合”が上限となります。
所得に対して外国株配当額所得の割合が小さいと、相対的に限度額が小さくなります。
総合課税にする場合は配当控除もあるので、丸々外国課税分が控除されるわけでは無いので注意です。
入力が終わったら、「入力終了(次へ)>」をクリックします。
このように、控除額が表示されれば入力は完了です。
このまま確定申告を進めていけば外国税控除が反映されます。
お疲れさまでした!
まとめ
前回記事に引き続き、今回は外国税控除の確定申告方法について 具体的な確定申告の方法を解説しました。
ふるさと納税で確定申告をしているサラリーマンの方は多いと思います。
2020年はコロナ禍の株式市場暴落をチャンスと捉えて株式投資を始めたり、米国株・ETF投資を始めたサラリーマンの方は多いのではないでしょうか?
私を含め多くのサラリーマンは配当金を貰った場合、配当金も確定申告をした方がお得になりますので是非今回の記事を参考にしてやってみてください。
参考になれば幸いです。
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