私の株式ポートフォリオの中で大きなウェイトを占めているのは、米国高配当ETFのSPYDです。
最近、TwitterやwebでSPYDの記事を見ていると、「SPYDは積立投資する銘柄ではない」とか、「暴落時にのみ買うべき銘柄」等と書かれていることを時々見かけます。
人によって考え方が違うことを前提に、私も色んな投資家の考え方を参考させていただきながらSPYDに投資しています。
今回はSPYDの買い方について、私の所見を述べたいと思います。
あくまでも、私の考えであり正解はありません。
SPYDとは
S&P500という米国を代表する株式から形成される株価指標(インデックス)のうち、高配当銘柄の上位80銘柄に均等投資するETFです。
SPYDの直近の分配利回りは6.4%を超えており、米国高配当ETFを代表する銘柄です。
景気敏感セクターと言われる金融・不動産セクターを約4割含んでいます。
現時点のセクター比率は以下の通り。
銘柄名 | 組入比率 |
金融 | 23.73% |
不動産 | 18.43% |
エネルギー | 13.99% |
公益事業 | 13.43% |
情報技術 | 6.67% |
コミュニケーション・サービス | 6.32% |
生活必需品 | 5.30% |
素材 | 4.97% |
一般消費財・サービス | 3.85% |
ヘルスケア | 3.31% |
具体的な構成銘柄は以下の通りです。
純資産総額は5000億円を超え、VYMと並ぶ大型ファンドとなっています。
SPYDの値動き
SPYDは構成銘柄の傾向から、景気敏感セクターである金融・不動産セクターを約4割含んでいます。
このことからSPYDは不景気耐性が低く、実際に昨年のコロナショックでSPYDは大きく株価と分配金を削減しました。
2020年2月以前にSPYDを購入していた方は大きな含み損を抱えることとなりましたので、当時を経験した投資家の中にはSPYDを損切りした方や、これがトラウマになって購入を辞めた方もいるのではないかと思います。
コロナショック直前の株価の約39.9ドルから、一時20ドル台まで下げました。
そして、コロナショック直前の株価に戻ったのは2021年3月であり、暴落前の株価に回復させるのに約1年間かかりました。
同じく人気のある米国高配当ETFのVYMが約9カ月で暴落前の株価に戻したのに比べて、SPYDは最も暴落前の株価に戻るのにより長い時間を要しました。
SPYDは分配利回りこそ最も魅力的な米国高配当ETFですが、不景気耐性の弱さから株価のボラティリティが高く資産の観点からは(他の米国高配当ETFと比べると)リスクのある銘柄と言えます。
私がSPYDを買う理由
私がSPYDを買う一番の理由は、「分配利回りの高いETFだから」です。
私が感じているSPYDの魅力は、この一言に尽きます。
私の場合、将来的にはFIREを達成する事を目標にしているのですが、その「過程」で不労所得を手にすることの重要性を感じています。
そのため、高配当利回りを実現し、かつS&P500構成銘柄で構成されたETFであるSPYDが私の志向に合っていました。
SPYD自体がETFでリスク分散はされていますが、あくまでも私のポートフォリオの1部としての位置づけで他の銘柄と合わせて買い続けています。
逆に言うと、SPYDの利回りが低くなれば私がSPYDを買う理由は無くなります。
SPYD買い時は?
上記より、私はSPYDの買い時を分配利回りで決めています。
私が求める分配利回り以上ならば「買い」であり、以下であれば「買わない」ということになります。
そして、私はSPYDに関しては基本的に「売り」という選択肢を持っていません。
これはつまり一部の投資家が言うようにSPYDは「暴落時にのみに買うべき銘柄」なのか?と言われると、これはNoとなります。
なぜなら、SPYDの分配利回りを上げる要因は「取得株価」だけではなく、「分配金額」にもあるからです。
つまり、SPYDの分配利回りを上げるためには「分配金が一定」であれば取得株価を下げる必要がありますが、「分配金が上昇」すれば取得株価を必ずしも下げる必要はありません。
もちろん、欲しい銘柄の株を安く買えることに越したことは無いのは言うまでもありません。
安く株を買うべきなのはSPYDに限らず、他の銘柄でも同じです
一方で、「私が求める分配利回り」はいくらなのか。
それは、3.5%です。
その理由は、一般的に「税引前の分配利回り3.0%」が高分配利回りかどうかの指標になっており、私が積極的に買うならそれよりも+0.5%程度は高い利回りの状態で買いたいからです。
分配利回り3%なら「買ってもいい」と思う程度で、3.5%以上なら「積極的に買いたい」と思っています。
この利回りをSPYDの購入判断にする考え方は人によりますので、あくまでも私の中での判断基準です。
例えば、2020年9月の分配時期は株価の暴落と減配のダブルパンチを浴びましたが、それでも当時の株価で分配利回りが3.5%を下回ることはありませんでしたので、私は自分の信念の下で買い続けています。
この時は凄く不安でしたが、今思えば買い続けて良かったです
そして、逆に今はSPYDの株価が40ドルに迫りますが、直近の分配利回りで6.4%(分配実績で見ても4.7%)と分配利回り3.5%を上回ります。
つまり、私に言わせれば今もSPYDは「買い」という判断です。
実際に私はSPYDを買い続けています。
株価はインフレやデフレが作用しますから、株価だけみて投資判断をすることは私はしません。
「割高と思っていたけど実は割安だった」やその逆もある訳で、投資をする際にはリターンの観点を持って判断しています。
そして何よりも、将来の株価の右肩上がり(成長)を信じています。
私は当面、上記の軸を持ってSPYDを買い続けていく予定です。
私が定期購入する理由
私なりのSPYDの買い時については、上記で解説しました。
そして、その考えの下で私はSPYDの定期購入をしています。
しかし、暴落時に仕込む(SPYDを購入する)事は必然的にリターン(分配利回り)を高めることと同義なので、定期購入(ドルコスト平均法に)するよりも暴落時の一括購入の方がリターンが良くなるのではないか?と思う方もいると思います。
しかし、私はあえて定期購入でSPYDを増やしています。
その理由は以下の2点です。
売る前提ではない
1つ目の理由は、私はSPYDを売ることを考えていないからです。
私は分配金を得る権利を買っているのであり、SPYDの譲渡益(キャピタルゲイン)で利益を得ることは考えていないので、SPYDの株価が高いか低いかというのは余り考えていません。
そのため、得られる分配金に対して株価が「割安か」どうかを主に考えています。
なので、毎年の分配金が得られるのであれば株価が高くても買いますが、分配金が出ないなら買いません。
更に言うと、分配金に対して株価が高くても割安ならば買いますし、割高ならば買いません。
これは、あくまでもSPYDを買う時点の状況なので、未来永劫保有するSPYDが割安かどうかの保証はありません。
しかし、私は米国経済の右肩上がり(成長)を期待しているので、株価を気にせず定期購入をしています。
株価は読めない
もし、私が暴落時に欲しい株を底値で買えるのであれば当然買います。
これは、SPYDに限った話ではありません。
インデックス投資でも個別銘柄投資でも、欲しい株が安い時期に買えるのなら買わない理由はありません。
しかし、私は将来の株価を予想する器用さを持っていませんから、ドルコスト平均法でSPYDを(定期)購入しています。
今、米国株全般が高騰していると警戒する投資家もいますが、将来になって過去を振り返ってみると実は今が割安である可能性もありますし、暴落を狙っていても購入したい株価まで下がらない可能性もあります。
私は自身の目標に向けて、利益が目減りするデメリットよりもSPYDに投資する機会を失う(機会損失)リスクを避けたいので、無心で定期購入を続けています。
株価をチェックする等の購入コスト(私の時間)を考えると、定期購入のデメリット分は十分ペイしているかもしれません
まとめ
私のSPYDの投資方法について、考え方を記事にしてみました。
人によって投資スタイルが違うのは当然ですし自分の考えが正しいかは分かりませんが、私は以下の考えに基づいてSPYDを定期購入しています。
一部の投資家からは「定期購入はNG」や「暴落時にのみ買うべき銘柄」と言われているSPYDですが、今の私はFIREに向けてポートフォリオにSPYDが必要と考えているので定期購入をしています。
ちなみに、暴落時に欲しい株が買えるなら、SPYDに限らず全ての株を底値で買いたいです。
当然ですが
そのため、この考え方はSPYDが自分のポートフォリオに無くても良い(買えなくてもやむなし)、という考え方かどうかによるものなのかもしれません。
自分のポートフォリオをどの銘柄で構成するか、あるいは自分の投資スタイル(インデックス投資なのか、高配当投資なのか、etc..)を確認することでSPYDの必要性や購入タイミング・方法は変わってくると思います。
投資に対する一意見として、私の考えを記事にしてみました。
投資に対しての皆さんの考え方があれば、コメント欄から参考に教えて頂けると嬉しいです。
参考になれば幸いです。
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