あなたは今、病院で医師から難病と診断されてとても悲しい気持ちになっているかもしれません。肉体面でも精神面(メンタル)でも辛い状況だと思います。
かくいう私も、2019年に難病(潰瘍性大腸炎)と診断され、現在も闘病中です。最初は、「人生終わった」、「豊かな老後・人生は諦めよう」、「今後の生活が不安」等と悲観的に考えてしまい、しばらくの間何も考えられない・手につかない日々を送っていました。しかし、現状の難病患者に対する福祉サービスや難病患者としての生活は難病だからこそ貰えるお金やサービスもあり、当初考えていたほど悪くないものだと気づきました。今思うともっと早く情報を収集し、行動をしておけば良かったと思うことがいくつかありました。
そんな私の実体験を振り返り、もしあなたや身内が指定難病と診断されたときに忘れずにやってほしい11のことをまとめました。この記事を読んで実行することで、 難病患者本人やご家族が今何をしたらいいか分からない状態から解放し、少なからず心の余裕を持ち、経済的な負担を軽減できると思います。
この記事を読んでいる難病患者本人、およびそのご家族の不安を少しでも解消することができれば幸いです。
指定難病とは
根本的な治療方法が確立されておらず、慢性的な苦痛(あるいは負担)を伴う疾患を「難病」と言います。その難病の中でも、厚生労働省が定める診断基準に該当する疾患を「指定難病」と言います。指定難病は330種類以上あり、その患者は少なくとも国内に100万人以上いると言われています。
指定難病の疾患名
厚生労働省が指定難病と定める疾患名(抜粋)を以下に示します。
疾患名 |
---|
潰瘍性大腸炎 |
パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病) |
全身性エリテマトーデス |
強皮症、皮膚筋炎及び多発性筋炎 |
クローン病 |
後縦靭帯骨化症 |
網膜色素変性症 |
特発性拡張型(うっ血型)心筋症 |
脊髄小脳変性症 |
特発性血小板減少性紫斑病 |
サルコイドーシス |
原発性胆汁性肝硬変 |
重症筋無力症 |
間脳下垂体機能障害(PRL分泌異常症、ゴナドトロピン分泌異常症、ADH分泌異常症、下垂体性TSH分泌異常症、クッシング病、先端巨大症、下垂体機能低下症) |
ベーチェット病 |
多発性硬化症 |
特発性大腿骨頭壊死症 |
モヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞症) |
多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群) |
結節性動脈周囲炎 |
再生不良性貧血 |
混合性結合組織病 |
筋萎縮性側索硬化症 |
上記のリストは指定難病のごく一部です。自身の病名が指定難病に該当するかどうかは、以下の参考情報を確認してください。
- 指定難病名一覧表(xlsファイル)
https://www.mhlw.go.jp/content/000522616.xlsx - 指定難病(厚生労働省HP) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000084783.html
あなた・家族が指定難病と診断されたら、忘れずにやるべき/確認すべき11のこと
指定難病になったら、忘れずにやるべきこと/確認すべきことを以下にリストアップします。
1 特定医療費(指定難病)受給者証の申請
2 健康保険限度額適用認定申請書(高額医療費支給制度)の準備
3 地方自治体の難病助成制度の確認
4 障害年金の申請
5 傷病休暇制度(傷病手当金)の申請
6 携帯電話(スマホ)プランの見直し
7 クレジットカードの作成(メインカードの見直し)
8 職場の傷病見舞金/入院給付金
9 契約中の医療保険会社への保険金請求
10 その年の医療費の確認(確定申告)
11 自身(ご家族)の難病に関する情報収集
私自身、これらの“やるべきこと”を最初から知っていたわけではありません。実際、不安の中時間をかけて手探りで情報を集めるのは本当に大変な作業でした。だからこそ、この記事を読んでいるあなたの不安や苦労が分かります。私が難病患者となってから、手探りで情報を揃えてやってきたこと/確認したことは難病患者とそのご家族にとって有益な情報になると思い、このような形で整理しました。中には「(すぐに)やっておけばよかった」と思う内容もあります。そのため、この一覧は上から早くやっておいた方が良かった順にリストアップしています。これらはすべて当事者(難病患者)になった私が必要性を実感したこと/やってよかったことですので、初めての方は必ず全ての項目に目を通してみてください。
特定医療費(指定難病)受給者証の申請
何よりも最初にやってほしいことは、「特定医療費(指定難病)受給者証の申請」です。 難病手帳とも言われることがありますが、この申請をしておくことによって医療費の助成を受けられ、難病に関わる医療費の負担を3分の1~3分の2(1/3~2/3)に軽減することができます。
この受給者証の申請は、指定難病であることが条件になりますが、それだけでは申請できません。あなたの病気が重症 (または高額かつ長期)であることを証明する必要があります。
それを証明するために、申請書類として臨床調査個人票(診断書)をかかりつけの医師に作成してもらう必要があります。病院(あるいは医師)によっては、この書類作成に数週間待たされる場合がありますので、指定難病だと分かったら、すぐに医師に依頼してください。
文書作成料として費用(私費10000円前後)が発生することがありますが、これからかかるであろう多額の医療費を削減するために必要な書類です。書類発行に迷う必要はありません。
(臨床調査個人票の発行にかかる費用は、助成の対象にはなりません。 )
各自治体の保健局に提出し、受領されれば申請完了です。特定医療費(指定難病)受給者証の発行にあたっては、お住いの都道府県による審査に通る必要があるため、手元に受給者証が届くまでおおよそ2か月程度見ておいた方が良いです。
申請さえしておけば受給者証が到着した後、申請日に遡って医療費の差額(助成金)を請求することができます。つまり、今日申請すれば受給者証が2か月後に届いたとしても、今日からの医療費の助成が受けられます。
審査の結果、不認定となることもありますが、得られる助成が大きいのでダメ元でも申請することをお勧めします。
各都道府県の問い合わせ先は以下の通りです。
都道府県 | 担当組織 | 担当 | 郵便番号 | 住所 | 電話番号 |
---|---|---|---|---|---|
北海道 | 保健福祉部健康安全局 地域保健課 | 感染症・特定疾患グループ | 〒060-8588 | 札幌市中央区北3条西6丁目 | 011-231-4111 |
青森県 | 健康福祉部 保健衛生課 | 難病対策グループ | 〒030-8570 | 青森市長島1-1-1 | 017-722-1111 |
岩手県 | 保健福祉部 健康国保課 | 健康予防担当(難病) | 〒020-8570 | 岩手県盛岡市内丸10-1 | 019-629-5471 |
宮城県 | 保健福祉部 疾病・感染症対策室 | 難病対策班 | 〒980-8570 | 宮城県仙台市青葉区本町3丁目8-1 | 022-211-2636 |
秋田県 | 健康福祉部 保健・疾病対策課 | 疾病対策斑 | 〒010-8570 | 秋田県秋田市山王四丁目4番1号 | 018-860-1111 |
山形県 | 健康福祉部 障がい福祉課 | 難病対策担当 | 〒990-8570 | 山形市松波二丁目8番1号 | 023-630-3296 |
福島県 | 保健福祉部 健康増進課 | – | 〒960-8670 | 福島市杉妻町2-16 | 024-521-1111 |
茨城県 | 茨城県保健福祉部 疾病対策課 | 難病対策G | 〒310-8555 | 茨城県水戸市笠原町978番6 | 029-301-3220 |
栃木県 | 保健福祉部 健康増進課 | 難病対策担当 | 〒320-8501 | 宇都宮市塙田1-1-20 | 028-623-2323 |
群馬県 | 健康福祉部 保健予防課 | 難病対策係 | 〒371-8570 | 前橋市大手町1-1-1 | 027-223-1111 |
埼玉県 | 保健医療部 疾病対策課 | 指定難病対策担当 | 〒330-9301 | さいたま市浦和区高砂3-15-1 | 048-824-2111 |
千葉県 | 健康福祉部 疾病対策課 | 難病審査班 | 〒260-8667 | 千葉市中央区市場町1-1 | 043-223-2575 |
東京都 | 福祉保健局 保健政策部 疾病対策課 | 疾病対策担当 | 〒163-8001 | 東京都新宿区西新宿2-8-1 | 03-5321-1111 |
神奈川県 | 健康医療局保健医療部 がん・疾病対策課 | 難病対策グループ | 〒231-8588 | 神奈川県横浜市中区日本大通1 | 045-210-1111 |
新潟県 | 福祉保健部 健康対策課 | 難病等対策係 | 〒950-8570 | 新潟県新潟市中央区新光町4-1 | 025-285-5511 |
富山県 | 厚生部 健康課 | 感染症・疾病対策班 | 〒930-8501 | 富山県富山市新総曲輪1-7 | 076-431-4111 |
石川県 | 健康福祉部 健康推進課 | 難病対策グループ | 〒920-8580 | 石川県金沢市鞍月1丁目一番地 | 076-225-1111 |
福井県 | 健康福祉部 健康増進課 | 疾病対策グループ | 〒910-8580 | 福井県福井市大手3丁目17-1 | 0776-21-1111 |
山梨県 | 福祉保健部 健康増進課 | 母子保健・難病担当 | 〒400-8501 | 山梨県甲府市丸の内1丁目6-1 | 055-237-1111 |
長野県 | 健康福祉部 保健・疾病対策課 | がん・疾病対策係 | 〒380-8570 | 長野県長野市大字南長野字幅下692-2 | 026-235-7150 |
岐阜県 | 健康福祉部 保健医療課 | 難病対策係 | 〒500-8570 | 岐阜市薮田南2-1-1 | 058-272-1111 |
静岡県 | 健康福祉部 疾病対策課 | 難病対策班 | 〒420-0853 | 静岡県静岡市葵区追手町9-6 | 054-221-3393 |
愛知県 | 健康福祉部 健康対策課 | 難病対策グループ | 〒460-8501 | 名古屋市中区三の丸3-1-2 | 052-961-2111 |
三重県 | 医療保健部 健康づくり課 | 疾病対策班 | 〒514-8570 | 三重県津市広明町13番地 | 059-224-2334 |
滋賀県 | 健康医療福祉部 障害福祉課 | 障害認定・難病係 | 〒520-8577 | 滋賀県大津市京町4丁目1-1 | 077-528-3543 |
京都府 | 健康福祉部 健康対策課 | 疾病対策担当 | 〒602-8570 | 京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町 | 075-451-8111 |
大阪府 | 健康医療部 保健医療室地域保健課 | 疾病対策・援護グループ | 〒540-8570 | 大阪市中央区大手前2-1-22 | 06-6941-0351 |
兵庫県 | 健康福祉部健康局 疾病対策課 | がん・難病対策班 | 〒650-8567 | 神戸市中央区下山手通5-10-1 | 078-341-7711 |
奈良県 | 福祉医療部 医療政策局 健康推進課 | 難病・医療支援係 | 〒630-8501 | 奈良市登大路町30番地 | 0742-22-1101 |
和歌山県 | 福祉保健部健康局 健康推進課 | がん・疾病対策班 | 〒640-8585 | 和歌山市小松原通1-1 | 073-432-4111 |
鳥取県 | 健康福祉部 健康推進課 | 母子・難病支援グループ | 〒690-8501 | 島根県松江市殿町1番地 | 0852-22-5111 |
岡山県 | 保健福祉部 医薬安全課 | 特定保健対策班 | 〒700-8570 | 岡山県岡山市北区内山下2-4-6 | 086-224-2111 |
広島県 | 健康福祉局 健康対策課 | 疾病対策グループ | 〒730-8511 | 広島県広島市中区基町10-52 | 082-228-2111 |
山口県 | 健康福祉部 健康増進課 | 精神・難病班 | 〒753-8501 | 山口県山口市滝町1-1 | 083-922-3111 |
徳島県 | 保健福祉部 健康増進課感染症・疾病対策室 | 感染症・疾病対策担当 | 〒770-8570 | 徳島県徳島市万代町1-1 | 088-621-2500 |
香川県 | 健康福祉部 健康福祉総務課 | 難病等対策グループ | 〒760-8570 | 高松市番町4-1-10 | 087-831-1111 |
愛媛県 | 保健福祉部健康衛生局 健康増進課 | 難病対策係 | 〒790-8570 | 愛媛県松山市一番町4丁目4番地2 | 089-941-2111 |
高知県 | 健康政策部 健康対策課 | 難病担当 | 〒780-8570 | 高知県丸ノ内1-2-20 | 088-823-9678 |
福岡県 | 保健医療介護部 がん感染症疾病対策課 | 難病対策係 | 〒812-8577 | 福岡市博多区東公園7-7 | 092-651-1111 |
佐賀県 | 健康福祉部 健康増進課 | 疾病対策担当 | 〒840-8570 | 佐賀市城内1-1-59 | 0952-24-2111 |
長崎県 | 福祉保健部 国保・健康増進課 | 疾病対策班 | 〒850-8570 | 長崎県長崎市尾上町3番1号 | 095-824-1111 |
熊本県 | 健康福祉部健康局 健康づくり推進課 | 総務・特定疾病班 | 〒862-8570 | 熊本市中央区水前寺6-18-1 | 096-383-1111 |
大分県 | 福祉保健部 健康づくり支援課 | がん・難病対策班 | 〒870-8501 | 大分県大分市大手町3-1-1 | 097-536-1111 |
宮崎県 | 福祉保健部 健康増進課 | 疾病対策担当 | 〒880-8501 | 宮崎市橘通東2丁目10番1号 | 0985-26-7111 |
鹿児島県 | くらし保健福祉部 健康増進課 | 疾病対策係 | 〒890-8577 | 鹿児島市鴨池新町10番1号 | 099-286-2111 |
沖縄県 | 保健医療部 地域保健課 | 疾病対策班 | 〒900-8570 | 沖縄県那覇市泉崎1-2-2 | 098-866-2333 |
・難病情報センター
https://www.nanbyou.or.jp/
東京都にお住いの方は、以下のリンクを参考にしてください 。
・東京都福祉保健局(難病医療費助成の支給認定申請手続等)
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/nanbyo/portal/seido/shinsei.html
特定医療費(指定難病)受給者証を持っていると、スマホの利用料が安くなったり、他にも特典が受けれる場合があります。
健康保険限度額適用認定申請書(高額医療費支給制度)の準備
もし現在入院中なら、長期間の入院となることを想定しておいた方がいいかもしれません。つまり、それだけ医療費(入院費)がかかるということです。
日本には、高額医療費支給制度があり、患者の自己負担の上限が定められています。自己負担限度額は1ヶ月あたりおおよそ8万円で、それを超えた医療費を支払った場合は、後日健康保険組合(または国民健康保険組合)から超えた分が払い戻されます。
もし、貯金で備えをしている場合は一旦高額な医療費を負担し、後から還付をうけるというやり方がありますが、そうでない場合は数十万円~数百万円の医療費の負担が(一時的だとしても)重くなります。その場合は、健康保険限度額適用認定申請書を事前に取り寄せて病院に提出しておくことで、負担を軽減することができます。
手続きの詳細を知りたい場合は、加入している健康保険組合に問い合わせしてみてください。
地方自治体の難病助成制度の確認
上記で述べた国や都道府県の難病医療費助成の他に、市区町村が独自に提供しているサービスや難病助成制度がある場合があります。
市区町村のHPを確認し、もし見つからなければ役所に電話してみてください。こうした情報は積極的に開示されていない場合があります。自分から積極的に問い合わせた方が良いです。
例えば、私は東京都板橋区在住ですが、板橋区では独自に難病患者を支援するサービスを提供しています。具体的には、「心身障害者福祉手当(区制度)」として、難病患者に月額15,500円を支給する制度があります(受給のためには条件があります)。
・板橋区(難病の方への支援)
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kenko/soudan/nanbyo/1002515.html
・難病患者等に対する障害福祉サービス等について
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kenko/soudan/nanbyo/1002518.html
・心身障害者福祉手当(区制度)
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kenko/shogai/teate/1003209.html
障害年金の申請
もし、 生活に支障をきたす程度の重症となった場合は、障害年金がもらえる可能性があります。
障害年金の申請から受給までは、半年ほどかかると言われています。また、指定難病患者への医療費助成制度と違い、申請日まで遡って支給されることはありません。
障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金があり、いずれも受給要件は大きく3つあります。
障害年金の審査のポイントの1つとして、障害状態該当要件があります。これは、病気の症状の重さのことで、上の特定医療費(指定難病)受給者証の申請と同様に医師の診断書に基づいて審査されます。
そのため、重い症状が現れているときに診断書を書いてもらうことをオススメします。 病院での治療や投薬により、症状が軽くなったり症状が安定してくると、診断書には重症とは書かれず審査要件を満たさなくなる場合があります。
・日本年金機構(障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150514.html
・障害厚生年金の受給要件・支給開始時期・計算方法
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-02.html
これから医師に診断書作成を依頼する場合は、障害年金を受給したい旨を直接伝えてください。医師として虚位の診断書は書けませんが、嘘にならない範囲で患者の状況を配慮した記載をしてくれる可能性があります。
ちなみに、私はこの制度を知ったのが難病が発症してから半年以上たった後でしたので、症状が安定してしまい申請することができませんでした。
傷病休暇制度(傷病手当金)の申請
あなたが会社勤めのサラリーマン・OLなら、傷病休暇制度によって長期間(4日以上)病気で働けない期間の給料が傷病手当金で補償されます。つまり、有給休暇を使わずに有給扱いで治療に専念することができます。
傷病休暇制度は労働基準法に基づく制度なので、まずは会社に問い合わせてください。お勤めの会社から「傷病手当金支給申請書」 を取り寄せて提出するだけで、あとは会社が処理してくれます。
この傷病休暇制度(傷病手当金)は、ケガや病気によって職務にあたることができない場合にのみ適用されます。そのため、医師による病気の診断書だけでは不十分であり、主治医の見解としてあなたが労務不能(あるいは労務を控えるべき)であることを記載してもらう必要があります。必ず、「傷病手当金支給申請書」の医師証明書欄に記載してもらってください。
この申請は事後申請が可能ですが、傷病手当金を受け取ることができる日を起算日として2年間以内に申請する必要があります。先延ばしにして忘れないように注意してください。
なお、給料と傷病手当金の重複受給はできません。有給を使って会社を休んでいる間は傷病休暇(傷病手当金)は適用されないので間違えないようにして下さい。
また、傷病休暇を使う(傷病手当金をもらう)場合、月々の給料は補填されますが賞与支給額に影響します( 賞与査定には影響しません)。傷病休暇を使った日数分だけ按分して減額されます。つまり、ボーナス査定期間が4月〜9月だとして、 7月~翌年3月まで傷病休暇で会社を休んだ場合、冬のボーナスは50%(7-9月分)減額され、翌年の夏のボーナスは支給されないこととなります。だだし、実際は賞与の算定方法にも依存するため、正確なところは会社に確認してみてください。また、年4回以上の賞与がある場合は、 傷病手当金が減額される場合があります。
ちなみに私は当時この制度のことをよく知らなかったため傷病手当金を貰わず、有給休暇を使って会社を休んでしまいました。私の会社では、毎月末に稼働集計を投入(勤務実績を報告)する必要があり、入院中の欠勤の扱いをどうするかを決めなければならなかったので、何も考えず「年休(有給休暇)」として申請してしまいました。今思うと、傷病休暇制度(傷病手当金)を積極的に活用しておけば良かったと思いました。確かに、ボーナス支給額は減るかもしれませんが、病気で長期間会社を休んだ社員のボーナス査定が良いはずがなく、普通の会社であれば1度も出社していない社員へのボーナス支給などありません。有給休暇を使って少ない賞与を満額貰うより、職場復帰後に通院等で会社を休むことを考慮して有給休暇を温存しておいた方が得策です。有給休暇は社員の権利ですが、傷病休暇は長期間の病気でしか使うことができず、また制度を使うために医師の証明が必要であることを考えると非常に使い勝手が悪く、傷病休暇は使えるときに使っておいた方が安心かと思います。
・全国健康保険協会(病気やケガで会社を休んだときhttps://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139/
・ 「傷病手当金支給申請書」 はご所属の職場に問い合わせてください。
自分が難病を患っていることを職場に伝えることは勇気がいるかもしれません。もしかしたら、難病を理由に待遇が悪くなる可能性もあります。しかし、私は職場には正直に伝えた方が良いと思っています。なぜなら、難病であることを職場に隠し通すことはできないと思うからです。あなたが、難病を秘密にして職場に復帰したとしても難病が改善するわけではありません。症状が現れたときに職場に迷惑をかけることになりますし、そのときに難病持ちであることが初めて発覚した場合、職務の遂行に関わる重大事実を周囲に知らせなかったあなたのリスク管理能力を疑われるリスクの方が大きいと思います。職場で公表する必要はありませんが、直属の上司には正直に伝えた方が良いでしょう。
私は持病について会社に報告していますが、それによって仕事の内容や冷たい処遇を受けたりすることはありませんでした(良いことなのか悪いことなのかは不明ですが・・・)。仕事仲間との関係性によるのかもしれませんが、私はそれが救い(ラッキー)でした。ただもし、病気によって不当な処遇を受けるようなら、人権侵害にも発展しうるので早い段階で会社の上司に訴えても良いと思います。
携帯電話(スマホ)プランの見直し
特定医療費(指定難病)受給者証が発行されたら、携帯電話(スマートフォン)の利用料金が安くなるかもしれません。
携帯電話大手3キャリアでは、難病患者/障がい者向けに割引プランを提供していますので自身の契約プランに適用できるか確認してみてください。
毎月数百円~と大きな額ではありませんが、毎月の固定費を削減することができるため、期間が長くなればなるほどトータルでは大きな額となります。
なお、プラン変更時には、窓口にて特定医療費(指定難病)受給者証を提示する必要がありますので、忘れずに持参してください。
- 毎月の携帯電話の基本使用料が割引
- 「spモード」や留守番電話などの月額使用料が60%割引
- 「新規契約※1」「名義変更※1」「機種変更」「契約変更」の各種お手続きの手数料が無料
- スマホやタブレットの初期設定をドコモショップスタッフがサポートする、「初期設定サポート」が無料
- 電話番号案内「104」への通話料・番号案内料が無料
- 「ハーティ割引」ご契約の場合、「定期契約」のプランはお申込みいただけません。
※1「ハーティ割引」のお申込みと同時に手続きをされた場合のみ。
- 基本使用料 170円~370円割引
- 通話料 20%~50%割引
- SMS(Cメール) 送信料 20%~50%割引
- ホワイトプランの基本料934円/月が無料
- パケットし放題、パケットし放題S for スマートフォンの下限額が0円から利用可能!
- ホワイトプランのTVコール国内通信料が半額
- 基本プラン(音声) 月額料金より一律200円/月割引
- 各種手数料が無料
- 各種オプション料金が60%割引
私の場合はソフトバンクの (今は新規加入できないプランですが)ホワイトプランの基本使用料934円が0円(無料)になりました。また、キャリアが異なればそれぞれで割引を受けることができますし、ご家族の携帯プランに適用できる場合もあります。詳しくはHP/店頭でご確認ください。
なお、格安スマホ/格安SIMをご契約の場合は、割引が無い会社が多いです(もし、 格安スマホ/格安SIMで割引がある会社を見つけたら、ご連絡いただければ幸いです)。
また、私は格安SIM(MVNO)を契約していますが、キャリア(MNO)の契約を残しています。それは、大手3キャリアは家族間通話が無料のプランを提供しているからです。病気を患って不安な思いを抱えているからこそ、家族とは通話料を気にせず話しがしたいからです。私の場合は、通話とデータで会社を分けて契約しています。通話は家族間通話が無料になるキャリアで契約し、データは格安SIMを使っています。この場合、SIMカードが2枚となりますが、最近はSIMカードを2枚差し込めて、同時待ち受け(DSDS/DSDA)する機種が主流になりつつありますので、2台持ちが煩わしく感じる場合は、端末の新調も検討してみてはいかがでしょうか?
参考までに、いま私が使っている端末は以下です。SIMカードが2枚使えて、SIMフリー端末としては珍しくおサイフケータイ(Suica・PASMO・Felica)も使えて便利です。2020年8月時点でコスパが非常に良い端末でオススメです。
クレジットカードの作成(メインカードの見直し)
難病を患って間もないなら、これから多くの医療費がかかることを想定しておいてください。また、医療費だけではなく、今後の難病生活における衣食住に大きなお金がかかるかもしれません。不安を煽るわけではありませんが、大きな出費(年間100万円程度)を想定していた方が無難だと思います。もちろん、上記で述べた助成制度を活用したとしても、これまで以上の金銭的負担があると思います。そんな状況だからこそ、クレジットカードを作成する(メインカードを見直す)ことで、金銭気負担を軽減できます。ポイント還元率が高いクレジットカードは当然ですが、ポイントの使い勝手も考慮してクレジットカードを見直すことをお勧めします。
ちなみに、楽天カードは年会費無料かつ支払額の1%ポイントが付くカードです。また、楽天ポイントは楽天市場や楽天ペイ等で消費できるので、現金で1%還元されているのと同じ(1pt=1円)感覚でポイント消費できるのでおススメです。
私の場合は以前はANAカードをメインカードとしてしていましたが、マイルが効率よく貯まっても今後使えないだろうなと思い、生活スタイルに合う楽天カードに変更しました。実際、私は楽天カードをメインカードとして入院費用の約70万円を全額支払い、約7000ポイントを貰いました(そのあと、上記で書いた高額医療費支給制度によって60万円程が現金で戻ってきました)。
楽天カードは常時入会キャンペーンをやっていますので、よりキャンペーン条件が良いタイミングで入会するとお得です。ですが、キャンペーンを待っていると入院費用等の支払い機会を逃してしまうため、すぐに申し込むことをお勧めします。楽天カードの場合は常時5000ポイント還元のキャンペーンをやっているので、あまり高みを狙わずに申し込んで良いと思います。
楽天カードを持っていない方、これからクレジットカードを作ろうとしている方は、以下のリンクから入会キャンペーン内容をご確認ください。
・楽天カードキャンペーン内容を確認(新規申込)
私は楽天カードがベストだと思いますが、どのクレジットカードでも問題ありません。要するに、今後のあなたのライフスタイルが変わることを見越して、ポイントの獲得だけでなく消費もしやすいクレジットカードになっているかを確認することが大事です。
職場の傷病見舞金/入院給付金の確認
あなたが会社勤めのサラリーマン・OLなら、職場または共済(組合)から福利厚生の一環として傷病見舞金または入院給付金を受給できるかもしれません。これは労働基準法で定められた傷病手当金とは異なり、会社や共済の制度です。
そのため、受給額は会社や共済によって変わりますが、私の加入している共済では「病気または負傷による療養のため、連続した30日以上の傷病による休業」の場合に、15000円が支給されます。 私は1か月以上会社を休んだため、この要件に該当し傷病見舞金として15000円を受給しました。
・ 「傷病手当金支給申請書」 はご所属の職場に問い合わせてください。
(参考)
・トヨタモビリティーサービス労働組合
http://www.tokyo-rl-union.net/kyousai.html
・電通共済生協
https://www.dentsu-kyosai.or.jp/system/all/#sec-title-02
等
なお、傷病見舞金や入院給付金という呼び方/名称は、一般に統一されていませんのでご所属の職場や加入共済によって呼び方/名称が異なる場合があります。もし、そのような制度が見つからなければ、「自社が加入している共済組合では、長期入院によって給付金が支給される制度はありますか?」と、職場の総務課に問い合わせしてみてください。
ちなみに、私が傷病見舞金を受け取る際、病気(入院)によって休職したことを証明するための書類として、診断書および医療明細書の提示が求められました。受給に必要となる証明書類も、会社や共済によって異なりますので、事前に問い合わせし代用できる書類や保険金の請求と兼ねられる書類を確認しておくと病院(医師)への文書作成料/回数を削減することができます。
会社や共済の制度ですが、申請期限がある場合がありますので忘れずに申請してください。
契約中の医療保険会社への保険金請求
もし、医師から難病と診断される前に医療保険に加入していた場合、入院日数に応じて保険金を受け取ることができます。受給できる金額は契約している医療保険プランによりますが、入院1日5000円~10000円が支給されるプランが多いです。毎月(あるいは毎年)の医療保険料は安くないため、民間保険会社の医療保険に加入しているなら、自分が該当しているかどうかはすぐに分かると思います。しかし、会社の共済保険に加入している場合は、保険料が給与から天引きされているため、気づかずに医療保険に加入している場合があります。
私は残念ながら、民間保険会社との医療保険の契約はありませんでした。しかし、会社の共済を通じて医療保険に加入していたので、保険金を請求することができました。共済を通じて医療保険に加入する場合、保険料が非常に安い場合があります。私の場合は、入院日額5000円が1口390円/月のプランに2口加入していましたので、毎月780円が給料から天引きされていました。そのため、入院1日あたり10000円の保険金を請求することができました(ちょうど30日間入院したため、30万円の保険金を請求し受給できました)。毎月1000円以下の保険料かつ、給料からの天引きであるため、気付かずに保険に加入している場合があります。
保険金を請求する場合、保険会社指定の診断書様式で提出を求められることがあります。この場合、病院によっては指定様式のため文書作成料が高くなることがあります。私が入院した病院では、病院が用意する標準様式での診断書が3300円/1部、指定様式での診断書が6600円/1部 でした。
・日本生命
https://www.nissay.co.jp/keiyaku/oshirase/doctor/
・東京海上日動あんしん生命
https://www.tmn-anshin.co.jp/keiyaku/tetsuzuki/
・アフラック
https://www.aflac.co.jp/keiyaku/seikyu/contents/insurance_claim.html
・三井住友海上あいおい生命
https://www.msa-life.co.jp/customer/demand/04.html
・オリックス生命保険
https://www.orixlife.co.jp/customer/payment/certificate/
・SOMPOひまわり生命
https://www.himawari-life.co.jp/customer/seikyu/internet/use/print/
しかし、保険金支給の審査は必ずしも保険会社が指定している様式で提出する必要はありません。 保険会社が審査するうえで必要な情報が記載された診断書であれば良いのです。そのため、もし、指定の様式での診断書が求められた場合は、保険会社に電話して
- 保険会社指定の診断書様式以外での診断書で良いか
- 診断書に何の情報が記載されていれば良いか
- 診断書のコピーで良いか
を事前に確認して下さい。
そのうえで、病院が発行する診断書に保険金請求に必要な情報が記載されるかを確認し、すべて記入されるなら病院に文書作成を依頼してください。もし、2社以上の保険会社との医療保険契約をお持ちの場合は、すべての保険会社に1.と2.と3.を事前に問い合わせ、必要な情報が全て診断書に記入されるかを確認してください。うまく行けば、保険金と傷病手当金と傷病見舞金を受給するための書類と併せて、病院の標準様式での診断書を1通発行するだけで済みます。
私が入院していた病院の診断書発行手数料(文書作成料)は、様式によって異なりました
・東京山手メディカルセンター(文書作成に係る料金改定のお知らせ)
https://yamate.jcho.go.jp/%E6%96%87%E6%9B%B8%E4%BD%9C%E6%88%90%E3%81%AB%E4%BF%82%E3%82%8B%E6%96%99%E9%87%91%E6%94%B9%E5%AE%9A%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B/
保険金の請求は、請求の期限がある場合がありますので忘れずに申請してください。生命保険の保険金請求の時効は、保険法により支払事由発生から3年と定められており、基本的には保険事故発生から3年が過ぎてしまうと、保険金請求権が消滅します。
その年の医療費の確認(確定申告と医療費控除)
難病を発症した年は入院や処方箋や検査・検診、通院により、 おそらく年間医療費は10万円を超えると思います。年間医療費が10万円を超える場合、確定申告を行うことで10万円を超えた分の所得税と住民税の課税所得から控除することができます(医療費控除)。
・国税庁(No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除))https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
ここで、医療費として計上できるのは、治療に伴って実際に支払った金額から、保険金などで補てんされる金額を覗いた額となります。つまり、保険適用外である入院中の食事代(医療食)や通院に伴う交通費も医療費として計上することができます。これは難病に限らずその年にかかった医療費の合計額を対象に控除されることになります。例えば、あなたが難病とは無関係な虫歯の治療をした場合、その虫歯の治療費も医療費として計上可能です。また、治療費だけなく、インプラントや車いす等の医療器具も対象となります。そのため、実際に病院に支払った金額とは異なりますので、治療に伴って何にいくら支払ったか/いくら補填されたかを具体的に確認しておく必要があります。
医療費控除を申告した場合、税務署から申告した医療費を確認されることがありますので、領収書やレシート・明細書を揃えて5年間保存しておく必要があります。難病を患っている場合、数十~百万円単位の医療費がかかりますので、その年の医療費を確認し漏らさずに確定申告をするようにしてください。
実は、医療費控除の医療費は家族合算して申告できるので、難病患者本人だけなくご家族の医療費も確認して所得が最も高いご家族の方が代表して申告すると良いでしょう。そして、もし難病患者本人やご家族がレーシックやインプラント等の高額な手術を考えているなら、同じ年に手術したほうが税制上有利になります。
私の場合、難病を患った年は手術と入院と通院、および腰痛や虫歯の治療を行い、妻の医療費と併せて合計約80万円程の医療費がかかりました。そこから、保険金や助成等の補填分を差し引いて最終的に実質40万円の医療費となりました。その結果、10万円を超えた分の約30万円が所得税と住民税の課税所得から控除されることとなり、ざっくり3割(所得税20%・住民税10%)の9万円の減税となりました。
確定申告の提出期限は翌年の3月中旬となります。忘れずに申告してください(2020年(2019年分)は 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の影響で例外的に2020年4月16日まで提出期限が延期されました)。
・所得税の確定申告(国税庁HP)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei.htm
自身(ご家族)の難病に関する情報収集
あなたが今一番不安に思っていることは、これから自分の人生や生活がどうなってしまうのか?だと思います。私も医師から難病であることを言い渡された時は、自分の現状に失望し、絶望を感じました。悲しいです。辛いです。不安です。しかし、あなたは生きなければなりません。なぜなら、あなたが知らないだけで、あなたに希望をもって生きてほしいと願っている人が周りにいるからです。
難病の不安を解消する方法は、自分と同じ病気を持つ人の生活状況を詳しく知ることだと私は考えます。あなたの病気によって制限されることは何なのか、その制限の中でどう生活していけるのか、よく分からないからこそ不安になっているのだと思います。同じ境遇にいる難病患者から話を聞いたり、情報を得ていくうちに自分ができること、できないこと/やっていいこと、悪いことが少しずつ分かってきます。そして、今の状況でうまく生活する方法や、今の自分だからできる生き方が見つかるかもしれません。自分の病気に関する知識が増えることで分からないことが減り、漠然とした不安が少しずつ取り除かれます。
具体的な内容として、私は2019年1月に指定難病である潰瘍性大腸炎を患いました。当初は、健康を失ってしまい「これからは今まで通りの普通の生活は送れない」、「家族に迷惑をかける」、「一人で生きられない」、「医療費に悩む人生になる」といった、漠然とした不安でしばらくの間、頭がいっぱいでした。しかし、実際にどんな生活になるのか、どれだけお金が掛かるのかを具体的に知りたいと思うようになり、インターネットや病院の先生や看護師・保健師を通じて情報収集を始めました。
その過程で分かったことの一例として、私の病気(潰瘍性大腸炎)は、以下のような特徴があることが分かりました。
- 常に症状が現れる状態(活動期)ではなく、寛解と再燃を繰り返す病気である
- 症状を抑えるために、毎日薬(サラゾピリン)を飲む必要がある
- 脂質が高い・消化の悪い食べものは 摂取できない
- 炭酸飲料・アルコール飲料は摂取できない
- 新たに医療保険に入れないor条件付き契約となる
- 2か月に1回の通院・検査の必要がる
- 半年~一年に一回は人間ドック(内視鏡の検査)を実施する
- 症状が悪化すると、大腸がんになる
- 場合によっては大腸を摘出し、人工肛門(ストーマ)となる
- 安倍晋三、北川 悦吏子、高橋・メアリージュン、若槻千夏も患っている
- 治癒・完治はしないが、 寛解期を維持する(症状を抑えたり緩和する)ことはできる
- 数十年間、寛解期を維持している患者もいる
- 難病にかかる医療費は助成の対象となる(1/3~2/3)
- 板橋区からの心身障害者福祉手当等、各種手当金の給付制度がある
- スマホ代や施設入場料が割引される
いかがでしょうか?
確かに、ネガティブなこともありますが、生活にどの程度の制限があるか少しだけ具体化されました。少なくとも、私は当初漠然と感じていた不安は一部解消されましたし、それだけではなく助成や手当を受給できる等、ポジティブなことも分かり、当初悩んでいたほどの経済的負担はないと思うようになりました。
このようして情報収集をしていくことで多少のガマンは必要なものの、私は少しずつ生きる希望が出てきました。
その一方で、自分の病気に関する情報を集める(知る)行為は、精神的にも辛いこともあります。ですが、自分の人生を前に進めるためにも勇気を出してやってみてください。そして難病患者のご家族の方もこの難病の事実と現実を受け入れて、本人と二人三脚で本人の人生を支援して欲しいと思います。良くも悪くも情報を収集していくことであなたの漠然とした不安は、きっと解消されるはずです。
まとめ
私の経験をもとに、あなた・家族が指定難病と診断されたら、忘れずにやるべき/確認すべき11のこと~私の実体験に基づく大事なこと~を解説しました。
あらためて11のことを下記に記します。
これらは私が必要だった/必要だと感じたことであり、必ずしも万人に当てはまらないかもしれません。例えば、自営業・フリーランスの方は傷病休暇制度(傷病手当金) はありませんし、医療保険に入っていない方は医療保険会社への保険金請求は必要ありません。ですが、多くの方はこれらに該当すると思います。
もし、自分・家族・友人が難病になってしまったら、きっと本人は何をしていいか/何をするべきかが分からず不安になると思います。その時に、この記事が少しでも参考になり、漠然とした不安や経済的不安の解消に繋がれば嬉しいです。
難病は完治しない病気ですので、私自身もこれから病気と付き合って行かなければなりません。そして、難病になった人にしか分からない悩みや不安があります。その悩みや不安を解消する助けになるよう、これからも難病患者としての私の視点で有益な情報/視点/考え方をこれからどんどん発信していきたいと思います。
最後に、この記事を見てくださった方々からコメント等頂けると、今後の励みになります。
この記事の不明点や、あなたの観点で他にやるべきこと・確認すべきこと、経験・体験談があればコメント欄やお問い合わせ欄から連絡いただけると幸いです。 (記事の間違い等も指摘いただけると幸いです。) 記事を修正/加筆して難病に関わる皆さんに価値のある正確な情報を発信していきたいと思います。
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